高校生インターンシップを開催しました
はじめまして。ピクシブ株式会社で人事を担当しているmarusanです。
8月5日〜7日の3日間にわたり、ピクシブとして初の試みである高校生インターンシップを行いました。高校生という、普段接し慣れない学生を相手に様々なドラマがありました。
何故高校生向けなのか?
インターンシップという本当の意味での就業体験をするのは、大学生より、むしろ高校生の方が、とても良い時期なのではないかと思います。
高校生は大学の進学にあたり、ぼんやりと「将来何をやりたいか」を考え、理系にするか、文系にするか、物理にするか、情報系か、文学、経済を勉強しようかなどと考えます。
こんな時期だからこそ、高校生が就業体験することで、進路の参考になるのではないかと思います。
何を高校生にやってもらうか
非常に悩みました。ぼくら社会人から見たら、高校生は10歳くらい(それ以上)年下の「子ども」というイメージ。
難しいこと言ってもわからないだろうし、レベルが高いと飽きてしまうのではないかと思っていました。 僕らなりに高校生に視点を落とし、高校生と同年代の学生が楽しい企画というコンセプトで、「高校生向けアプリを考える」などを考えました。
「高校生だからって下に見るな。社員と同じことをやらせなさい」
何をやってもらうか悩んでいたので、企画案について社長に相談してみました。
社長「高校生だからって下に見るな。社員と同じことをやらせなさい。高校生は十分大人。僕らの言ってる事は伝わるし、変に目線を下に落とさせないで、高校生に大人の事を考えさせた方が面白いアイデアが生まれるに違いない」
僕らはハッとしました。 最初の企画案は全てボツにして考え直しました。 最終的にはメイン課題として「pixiv8周年記念企画を考える」、サブ課題として「pixiv Spotlightの1記事を作成する」という社員と全く同じ仕事をやってもらうことになりました。
インターンシップのスケジュール
1日目
10:30集合 事前に募集をかけ、選考の上、7名の学生に来てもらいました。 自己紹介・アイスブレークを行い、その後社員とランチ。 ランチの後は、2チームに分かれ、pixiv Spotolightを考える。 17:00 チーム毎に自分たちの企画内容を発表
2日目
朝から「pixiv8周年記念企画」の説明。 まずはどうやってアイデアを出すかを教え、ブレストの手法などを教えた。 昨日と同じく2チームにわかれ企画の検討。 企画の詳細をこの日に決める。
3日目
最終日。朝から昨日考えた企画のプレゼン資料を作る。 午後は社長を含め、役員も見守る中、高校生だけでプレゼンを行う。 夕方解散
高校生相手に容赦ないダメ出し
初日は、お互い始めて顔を合わせ、緊張の面持ちだったので、クッシュボール(高校生はウニボールと呼んでいた)を使いながらの質問タイムとチームに分かれ「紙の塔ゲーム*1」を行いました。
学校も住んでいる環境もまるで違う高校生たちですが、唯一にして最大の共通点は「pixivが好き」であること。ほとんどの学生が、自身でも絵を描いて投稿しており、好きなイラストレーターの話題などで盛り上がっていきました。
Spotlightの課題は、いろいろと考えてくれるのですが、過去にやったことがある、企画自体がつまらないなどの理由で、高校生の意見は中々社員に採用されません。 やっとのことで企画案も採用され、高校生もとっても嬉しそう。 ここは当初の目的通り、僕らの仕事を体験してもらいました。
pixiv Spotolight企画の様子
高校生の伸びしろに驚かされる アイデアの数は1日で100→400
2日目はいよいよメインである「8周年記念企画を考える」です。 いきなりアイデア出しは難しいので、やり方を教えた上で、課題に取り組んでもらいました。
アイデアが浮かんだらフセンに書いてもらうようにしていたのですが、初日に使ったフセンは約100枚。 つまり7人で100個のアイデアを出したのでした。 しかし、この日アイデア出しの手法を教えたら、アイデアが出るわ出るわ。最終的には2日目で400枚以上。彼らのスポンジのような吸収力と柔軟な発想力に驚かされました。
フセンを使用してのアイデア出し
最終プレゼンには、30名ほどの社員が自主的に参加。高校生がオリジナルのプレゼンを考え、社員に披露
大学生向けのインターンシップでは、大学生がPowerPointやKeynoteなどで資料を作ったり、実際にプログラミングをした成果物を見せてもらうのですが、今回は高校生で期間も3日しかないため模造紙にプレゼン資料を手書きで書いてもらいました。
発表の様子
プレゼン資料のフォーマットは事前にある程度作って記入させたのですが、各チームでその模造紙にいろいろと工夫を仕出します。 一つ目のチームは、イラストの上手な学生がいたので画面のイメージを綺麗な絵で表現したり、プレゼンの最中も重要なポイントにフセンを貼り、さながらプレゼンソフトを使っているかのような工夫を行っていました。 もう一つのチームも、模造紙に様々なギミックを凝らし、模造紙という平面の用紙を立体的に使う工夫を見せてくれました。
こういった工夫は、最終発表に参加した社員も想像しておらず、楽しんで聞いていたようです。
そんなこんなで3日間はあっという間に終わりました。 最後にアンケートを書いてもらいましたが、学生の満足度は非常に高いものとなりました。
まとめ<高校生向けインターンシップを実施して得た知見>
3日間という短期決戦だからこそのメンターのコミット力が凄い
今回のインターンシップは大学生が普段行う2週間のものとは違い、3日間という短い期間でした。 大学生なら、「考えておいて」と任せてしまっても大丈夫なのですが、高校生はそうはいきません。 この3日間は本業を置いておいて、高校生にべったりくっついてもらいました。 その結果メンターも高校生たちにいつも以上の愛着が湧き、高校生も満足度が高くなるという、良いスパイラルが生まれました。 大学生向けのインターンシップも2週間ではなく、1週間にしてフルコミットしてもらった方がいいのではないかと感じました。
高校生が社内にいる、というだけで社員がなんとなく盛り上がる
普段ユーザーさんと接することが少なかったり、学生と接すると言っても面接で一部の社員が大学生と話すくらいなので、高校生が来ているというだけで、いい意味で社内がざわつく。 最終プレゼンにもたくさんの社員が見に来てくれ、僕らが考え付かないプレゼン手法を見せつけられ、驚きと新たな発見がありました。
とはいえ高校生なので集中力は長く持たない。飽きない工夫を考える
大学生は1コマ90分の授業、研究もエンドレスと長時間耐久に慣れている人が多い。 しかし高校生の授業は通常50分が多い。しかもピクシブのインターンシップは毎日10:30~19:00と長丁場。 途中に詰まるシーンが何度か見受けられました。 1時間に1回は休憩を入れる。 合間で、オフィスツアーを実施したり、いろんな社員の仕事風景を見せて、今やってる事を説明してもらうなど急遽、息抜き的に違う事をやらせました。
結局、いろいろなことを教えてやろうと思い、始めた企画でしたが、逆にいろいろと気づかされるものでした。 今回の経験を活かし、また高校生向けインターンシップを開催したいと考えています。
ちなみに
ピクシブは新卒・中途・アルバイト問わず常に新しい仲間を募集しています。 「創作活動がもっと楽しくなる場所をつくりたい」という方はぜひご応募ください!
*1:A4コピー紙のみを使って、時間内にどれだけ高い塔を作るか競うゲーム