割れ窓理論を導入してWebサービスのクオリティに直結した話
ピクシブ株式会社 Advent Calendar 2016 @8日目の記事です。
こんにちは、エンジニアのdo7beです。pixivFANBOXの開発などに携わっています。
さて、今回は新規開発プロジェクトに「割れ窓理論」を導入してサービスのクオリティ向上に繋がった話をご紹介したいと思います。
割れ窓理論とは
「割れ窓理論」とは、アメリカの犯罪学者ジョージ・ケリング氏が提唱した「建物の窓ガラスが割れたまま放置されると住民もゴミを捨てるようになり、治安が悪化し、より重大な犯罪が発生してしまう」という理論です。
つまり軽犯罪を取り締まることこそが、重大な犯罪を防ぐために重要であることを指しています。
私たちのチームではこれをWebサービスの新規開発プロジェクトに取り入れています。
WEBサービスにおける割れ窓は「軽度のデザイン崩れ」や「表記ゆれ」に、重大な犯罪は「バグ」や「全体のクオリティ低下」に該当します。つまり割れ窓理論をプロジェクトに取り入れるということは、全体のクオリティ向上のため、優先度が低いタスクに”優先的に”取り掛かる体制を作ることに繋がります。
チームでの活用事例
新規開発を進めるにつれて軽微なバグやデザイン崩れが積み重なり放置されてしまうという悩みを抱えていました。そんな時に割れ窓理論の記事を見つけ、その日のうちに導入してみました。
参考記事:デザインとプロダクト開発における「割れ窓理論」 – Medium Japan – Medium
私たちのチームではタスク管理ツールとしてTrelloを採用しており、各人がプロダクトを触りながら少しでもデザイン崩れに気づいたら「割れ窓リスト」にタスクを追加しています。そして週に一度設けている「割れ窓デー」では下記のようなことを行っています。
- 全員で30分ほどサービスに触れて割れ窓やバグを探す
- 現状判明している割れ窓タスクが妥当かどうか議論する
- チームメンバー全員で集中的にタスクを片付ける
やってみた結果
割れ窓デーとして週に一日を費やしているため、重要なタスクに取り掛かる工数が減ってしまいます。しかし、割れ窓理論を導入し様々な良い結果を得られることができました!
- デザイン崩れがなくなることでサービスに統一感が生まれ、重大な犯罪に該当した「全体のクオリティ低下」を継続的に防ぐ仕組みを作ることができた
- 割れ窓について普段から意識するため、チームメンバー間でサービスの正しい姿について自然と共有されるようになった
- 新規開発において優先度が低く溜まりがちな「デザイン崩れ」のタスクが片付くため、本来やるべきタスクに集中できるようになった
現に、デザインについて意見を述べることのなかったチームメンバーが「ここのボタンの色、ルールおかしくないですか?」等の指摘をしてくれるようになりました。
まとめ
新規開発中やリリース直後はどうしても些細なタスクを多く抱えてしまいがちです。このような問題に立ち向かうことでサービスのクオリティ向上に繋がる割れ窓理論、ぜひ試してみてはいかがでしょうか?